夢白あやさんほど多くの形容詞を味方につけることのできる娘役の方はいないと思っている。
歌と踊りと演技の三拍子が揃う技術の高さや見てくれの一点突破だけではない、アスリートで言うならさながら七種競技のチャンピオンで「クイーン・オブ・宝塚歌劇」と呼びたいくらいだ。
古代だろうが中世だろうが現代だろうが、西洋だろうが東洋だろうが、貴族だろうが平民だろうが、どんな役にも染まり、また自身の色で染め返し、夢白さんのような夢白さんでない夢白さんの演じる姿が常にある。
動物のカメレオンが体の色を変えるのは周囲の環境に同化して身を守るためではなく、感情表現だと言われている。
舞台の上では変幻自在にどのような色にも染まりながら強く儚く美しい夢を見せてくれて、幕が下りると真っ白な残像が心に漂う。
限りある宝塚歌劇の娘役としての時間、少しでも漏らさぬようその姿を目に焼き付けたい。
「ベルサイユのばら」宝塚大劇場公演千秋楽、お疲れさまでした。
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