この週末もご縁をいただきいそいそと劇場へ出かけた。
すっかりベルサイユに咲く紅薔薇に毒されてしまったようだ。
同じものを飽きもせず繰り返し見るのは宝塚歌劇に限ったことではなく、映画だってドラマだって気になれば何度も味わう。
いちどですべてを把握できるほど私の頭の容量は大きくない。
伏線、台詞の意味、役者の表情など大筋が分かってから余裕ができて気付くことがたくさんあり、それらひとつひとつが繋がるとますます止められなくなる。
「ベルサイユのばら」名物、バスティーユ襲撃。
麗しき男役の剣の舞はショーの燕尾に匹敵する迫力で見惚れてしまう。
オスカルに釘付けになっていた私の視線も、何度目かにしてようやく解放され始めた。
朝美絢さんのオスカルはアンドレへの想いからなのか死を覚悟しているからなのか生き生きと輝き、白い衣装と相まって正義の戦いを象徴しているかのようだ。
一方その隣で踊る桜路薫さんは愁いを帯び儚げですらある。
もしかしたら本心では戦闘など望んでいないのか、あるいは相当な猛者で絶対的な自信しかないのか、髪の色だけではない異質の美しさが滲み出ている。
衛兵隊の心情は様々なはずで、全員がオスカルと同じ理想で戦っているとは考えにくい。
独特の存在感を放つ桜路さんに今さら気付いてしまった。
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