週末観劇譚はひと休みして終わっていなかった宙組特別公演「Le Grand Escalier」のこと。
芹香斗亜さんの退団発表で空気が変わってしまい、もちろん宝塚歌劇の男役トップスター退団は特定の贔屓がいないファンにとっても最大級のニュースで当然のことながら、かと言ってひと夏の思い出として片付けてしまうにはあまりに勿体ない公演だったので記憶が鮮明なうちに文字で記録を残しておきたい。
本公演の頂きは間違いなくゴールデンデイズの場面だった、少なくとも私には。
芹香さんがラテンナンバーのロングトーンで観客を煽るのも白い衣装で大階段に立つのも印象的ではあったが「コーラスの宙組」が帰ってきたと思わせたのはアカペラが始まるあの瞬間だった。
欲を言わせてもらうならば、宙組全員があの場にいてほしかった。
「ベルサイユのばら」のショーで「セラビアデュ」を合唱する雪組を見るとつい重なってしまう。
もちろんそれはただの私の願望で、本公演を手掛けた齋藤吉正先生の愛情は十分すぎるほどに伝わったし文句を言うつもりは毛頭微塵もない。
東京宝塚劇場公演千秋楽のカーテンコールで最後に袖から出てきて大羽根を背負ったまま長い時間をかけて深くお辞儀をした芹香さん。
次の大劇場は退団公演になるので同じ姿はおそらく見られないだろう。
お決まりのコンサート形式のプレ退団公演も今のところ発表されておらず、一抹の寂しさは拭えないが芹香さん率いるコーラスの宙組を最後まで見届けたい。
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