最後に家族そろって大晦日を過ごした夜。
食卓に並ぶお酒の数が増えたこと以外は幼い頃と変わりなく、紅白歌合戦を見るでもなく流しているのは、真夏のお昼どきに定食屋が高校野球にチャンネルを合わせているのと同じだ。
司会者たちの口調が高揚したのに画面へ目を遣ると、あいみょんさんが紹介され「マリーゴールド」を披露した。
流行に疎い私はそのとき初めて耳にした。
メロディは面映ゆいくらい懐かしく、髪型も昔のフォーク歌手のようだったが、歌っている表情や声が初々しく新鮮で気に入ってしまい、毎日繰り返しミュージックビデオを見るほどになった。
今も変わらず大好きで、この季節はつい口ずさんだりもする。
瑠風輝さんが休演から復帰した「Le Grand Escalier」を観劇した。
私が初めて見たときから惹かれ続けているのは、あいみょんさんの「マリーゴールド」に似てクラシカルとモダンが同居しているからではないかと、ふと感じた。
声量を湛えた歌唱は王道の正統派で、舞台メイクも今にしては濃いめだが、天性の武器である高身長と頭身バランスやシルエットは現代的でどんな衣装も映える。
出演者数の多い宝塚歌劇の舞台で、ひとりで劇場の空気を支配することもでき、大勢の場面では役割を果たしながら視線を集られるのはスターの証しだと思う。
希望の光は瑠風さんの前でずっと輝いている。
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